歩く会100回記念の集い
2007.2.18


1998年11月から始まった歩く会が100回目になるのを記念した集いが 
2007年2月18日(日)山ノ内公会堂にて開催された。

歩く会は久保廣晃理事らの案内により毎月第3日曜日に開催されている。

これまで、延3,000人以上の参加者が台峯緑地を歩いたことになる。

理事長の吉野さんから、
当会のNPO法人としての今後のありかたなど重要な事項はアンケートなどで確認された会員の意思に基づき決定するとの話しがあった。

歩く会開催を呼びかけた前理事長なだいなださん、遊びの場であった台峯の保全のために貴重な写真を提供してくださっていた川上克己さんも参加され改めて台峯の保全を喜びあう楽しい会となりました。
県議会議員仙田みどりさんもお祝いに駆けつけてくださいました。

久保理事から山崎・台峯緑地基本計画及び基本設計の概略と今後の展望の説明があり、山崎・台峯緑地が後援として供用開始されるまで、当基金が台峯緑地とどのように関わるか私達も決意を新たにした集いでした。

当日はあいにく朝から冷たい雨でしたが山ノ内公会堂には熱心な会員が集まり
山崎・台峯緑地基本計画、基本設計に関する久保理事の説明に聞き入りました。

午後の歩く会ではいつものように久保理事の先導のもと、
基本計画(案)を現場で確認しました。
歩いているうちに雨も上がり、
願いが叶って保全される緑地を歩く幸せを、皆それぞれに語り合いました。


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                歩く会100回の感想          
                                       なだ いなだ

「なださん、あるく会は、まだ続いていますか」そう聞かれることがある。

「ええ、ぼくが引退したあとも、ちゃんと続いてますよ」と答えながら、《北鎌倉の景観を後世に伝える基金》の歩く会も、もう百回を突破したか、と驚いている。ぼくは、理事長を辞任してからあと、参加していないが、それでもずっと続いていることを誇りに思っている。

カラスの勝手でしょうみたいに、ぼくが勝手に誇りに思っているのだが、一緒に始めた仲間のものたち全員も、同じように誇りに思っているのではないだろうか。

ぼくは、みなが、台の緑地を愛してしまったのだと思う。《何十回も歩けば、歩いているうちに、この自然を守ろうという気持ちもわいてくる》そういってやり始めたことだが、みな、ほんとうに愛してしまったのだな、と思う。

同じ場所を、何十回も歩いた経験はあまりないだろう。それをやった台の緑地は、気がついたら、もう人生の一部になってしまっているはずだ。

ぼくもそうだ。ジャーナリストたちを案内したことがあったが、いつの間にか、自分の説明が、自分の財産というか、自分の一部を自慢しているような口調になっているのに気付いて苦笑したこともある。

ぼくは体力的にちょっと自信がなくなって、参加しなくなったが、それでも、あの谷間に下りて、毎回、どこに鎌倉は行ってしまったのだろう、と思うくらい深い静寂を感じる一瞬を思い出す。案内した人から

「へえ、鎌倉にこんなところがあったんだ」という嘆声を聞いたときの、自分の誇らしげな気分も、思い出すたびに戻ってくる。

そして、これが、この保全運動をやっている余得なのだと思う。所有していないのに、勝手に、この自然が自分のもののように思えてくるなんて、やっぱり得だ。保全運動をしている人間の味わうことのできる贅沢だと思う。

エベレストの登山家マロリーが、《いくら高い山に登っても、結局は降りてきてしまうのでしょう》といわれたとき、《いや人間は、山を一メートル登るとき、こころの中で、なにかを一メートル登っている。山は降りなければならないが、こころの中の一メートルは降りることはない》と答えた。この台峯の緑を保全する運動で、ぼくはその言葉を思い出す。台峯の緑を守ることで、ぼくたちも自分のこころの中の緑を守っているのだ。そのこころの中の緑は、ぼくたちが老いて、台の峰や谷を歩けなくなっても、いつまでも残っていて、消えることはない。

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               100回記念に寄せて   川上克己

北鎌倉台峯トラストの歩く会も100回を迎えたこと、驚きと共に感動しています。
発会より地道に活動し、継承しつづけた会員の皆様に心より感謝いたします。
本当にありがとうございました。

過去数十年「緑を守ろう、台峯を守ろう」というような会が幾度となく発会しましたが、いずれも
わずかな期間に弱体化し、衰退して消滅してしまいました。
そんな中で発会した「北鎌倉の景観を後世に伝える基金」北鎌倉台峯トラストの皆様が、
根気よく活動された結果、行政を動かし、業者、地権者の理解を得ることが出来、
「台峯を守る」という大きな目的を成し遂げて下さいました。

「山を動かした」まさに奇跡ともいうべき成果です。本当にありがとうございました。
これからも台峯の環境保全に活躍のほどよろしくお願いいたします。